夫のお小遣い制。テレビなどでもたまに取り上げられる話題ですね。
お小遣い制の旦那さんは500円のランチでやりくりしている。なんて世知辛いニュースも目にします。
実際、旦那さんの使えるお金をお小遣い制にするのと、旦那がお金を管理するのはどちらがいいのでしょうか?
今回は、両者のメリット・デメリットをあげながら、どういう家計運営がベストなのかを探っていきたいと思います。
Contents
旦那さんのお小遣い制のメリット
家計の管理がしやすい
お小遣い制のメリットは、何と言っても家計を管理しやすいことだと思います。夫婦共働きだったり、旦那さんの収入で生活しているパターンなど様々ですが、一家の収入というのは毎月だいたい決まった額になるでしょう。そこから、住宅費、食費、子供の養育費、電光熱費、保険料やローンの返済などの出て行くお金があって、手元に残った分を夫婦でやりくりしなくてはいけません。
そういう時、お小遣い制というのは支出を一定の額に固定できるというメリットがあります。旦那さんの昼食代。お酒や煙草などの嗜好品代。仕事の付き合いで生じる飲み会代。そういったものの上限を設定することで、支出が膨れ上がるのを防げます。
預貯金を貯めやすくなる
支出を抑えられるということは、少しずつですが預貯金にお金を回す余裕が生まれる可能性があるということでもあります。お子さんがいる家庭なら、将来の受験・進学費用などを早いうちから貯金しておきたくなるでしょう。毎年の家族旅行のために貯金するというのもアリですね。
お小遣い制でやりくりしなくてはいけない旦那さんは苦労を感じるかもしれませんが、一家の財政全体をやりくりする奥さんの苦労に比べたら、少しは耐えてもらいたくなるというのが奥様方の本音でしょう。
もちろん、お小遣いの設定金額は慎重に決めなければいけません。一方的にお小遣いの金額を決めてしまうと、夫婦の軋轢に発展する恐れがあります。お互いの機嫌がいい時に、穏やかな雰囲気の中で話し合って決めるのが理想的です。
お小遣い制のデメリット
旦那のストレス
お小遣い制には一家の財政面で支出を安定させるというメリットがあります。では、デメリットはどんなものがあるでしょう?
一番考えられるのが、旦那さんのストレスです。お小遣い制によって使えるお金の上限を管理されていると、旦那さんには無意識に「管理下におかれている」というストレスが生まれることでしょう。これが、旦那さんの収入だけで生活している家庭の場合、特に顕著に表れる可能性があります。いわゆる「俺が稼いだお金なのに!」という感情です。
奥さんは家計のことを考えてお小遣い制を提案したつもりでも、それが引き金になって夫婦の間に軋轢が生じる可能性があります。お金の問題というのは、とかくデリケートなものなのです。
こうしたデメリットの回避方法は、奥さんもお小遣い制にして、お互いが平等に苦労をしているという連帯感を生み出すというやり方があります。また、会社の飲み会など、仕事上の交際費は別会計として管理するというのも旦那さんのストレスを緩和してくれるでしょう。
あとは、家計簿をしっかりとつけて、今の家庭の財政がどんな状況なのか、どれくらい余裕があって、将来に備えてどれくらい貯金をしておいた方が良いのか?などを夫婦できちんと話し合っておくと感情のすれ違いを防ぐことができます。
仕事を頑張る気力を失う
おこづかい制というのは、支出を固定することができる反面、収入が増えてもお小遣いに反映されないという側面があります。
旦那さんのお小遣い制というと、「ランチは500円以内」とか「飲み会のお金を奥さんに相談」など、旦那さんが我慢を強いられるイメージが強いですね。
旦那さんのお小遣い制というのは、いくら仕事を頑張っても、自分が使えるお金が増えないとなると旦那さんが仕事に対するやる気を失ってしまうの恐れがあります。
そうなると、家計のことを考えておこづかい制をしているのにもかかわらず、旦那さんの仕事の気力を失ってしまうため、会社での昇進が遅れたり、会社での評価が下がってしまったりなど、かえって家計収入の状況を悪くしてしまう可能性があるのです。
こうした不満を回避する方法としては、お給料や収入が増えた分だけその分お小遣いを増やすような仕組みを作ったり、別会計として嗜好品や趣味に使えるお金を増やすという方法が考えられます。
人はやってもやらなくても変わらない状況では頑張れない生き物です。夫婦全体で協力して家計を運営していくためにも、頑張った分だけ、旦那も奥様もハッピーになれるという風なルール作りが求められるわけです。
旦那が家計を管理する場合のメリット
旦那の財政的な感覚を活かすことができる
共働き世帯が増えた現在。旦那さんが家計を管理して、奥さんに生活費を渡すというのはどういうケースが考えられるでしょう。
奥さんが専業主婦の場合は当てはまる場合も多そうです。一方、共働きの場合、旦那さんが家計を管理するというのは旦那さんの収入分だけを管理するのか、奥さんの収入分も含めて管理するのかで判断が分かれますね。
どのパターンでも共通して考えられるのは、旦那さんが家計を管理する場合というのは、仕事などで日常的に経費の計算などをするのに慣れていて、旦那さんがそういう財政的な感覚を身につけていることで長所を活かせる可能性があるというメリットが考えられます。
家計の管理は表計算ソフトのExcelなどで比較的簡単に行えますから、生活費の支出と収入を管理できれば、それほど難しくなく収支の管理ができるでしょう。
では、旦那さんが家計を管理することで、奥さんにはどんなメリットがあるのでしょうか?
奥さんが家計の計算から解放される
旦那さんが家計を管理する妻側のメリットとしては、家計の計算から解放されるというメリットが挙げられます。日々の家事や育児などで疲れている奥さんにとって、少しでもやることが少なくなるのは有難いことでしょう。
個人差がありますが、家計をつけるのが苦手な奥さんにとっては、旦那さんが家計の管理をしてくれるのは苦手なことをやらなくて済むので助かるかもしれません。
共働き世帯なのか、奥さんが専業主婦なのかによってもケースが異なりますが、旦那さんが家計を管理して、必要な分だけの生活費を奥さんに渡すという家計のスタイルは、今ではそう珍しいものではなくなって来ているのかもしれません。
旦那が家計を管理する場合のデメリット
奥さん側のストレス
では、次に旦那さんが家計を管理して、奥さんに生活費を渡すというスタイルのデメリットについて考えてみましょう。
まず考えられるのは、旦那さんが家計の主導権を握るという点です。旦那さんが家計を管理する場合、先のメリットと矛盾してしまいますが、奥さんは一ヶ月に必要な生活費がどれくらいになるのかを具体的に旦那さんに説明して、必要な生活費を割り振ってもらうという段取りが発生します。
会社で例えると、業務で必要な経費の見積りの資料を作成し、それを経理に提出して可否の判断をしてもらうというデリケートな段取りに似ているでしょう。
主導権を握っているのが旦那さんになるので、奥さんにとっては無意識にストレスが蓄積されていく可能性があります。実際、毎日の支出を記録してひと月に必要な生活費の資料を作るというのは意外と煩雑な作業です。家事や育児をしながら、そういう煩雑な作業もしなければいけないというのは、奥さんの立場からするとデメリットと言えなくもないでしょう。
お金の話題というのは、夫婦間であってもデリケートな話題です。家計の管理で旦那さんが主導権を握っているような場合、どうしても旦那さんと奥さんの間に上下関係のようなものが生まれてしまい、夫婦生活がギクシャクしてしまう恐れがあります。
酷い場合は夫婦喧嘩の原因にもなりかねないので、旦那さんが家計を管理する場合はそうしたデメリットを意識しておく必要があるでしょう。
夫婦の家計管理において重要なこと
対等な立場で協力する
夫婦間でのお金の話し合いというのは、とかくデリケートで神経をつかうものです。
家計を管理側は、パートナーを管理しようという姿勢で接するのではなく、あくまで対等な立場で家計を良くしようと話し合う姿勢が求められます。
一方のパートナー側も、一ヶ月にどれくらいの生活費が必要になるのか、家計を管理する方に対して具体的に説明できるようにしておかなければいけません。曖昧なやりとりは、後々のトラブルの元になりますから注意が必要です。
共働きの場合の家計管理
また、共働き世帯の場合、管理する家計の範囲をどう決めるかについても話し合っておく必要があるでしょう。奥さんが働いて得た収入まで全て旦那さんが管理しようというのは少々無理があります。お互いの収入の中から、家計として使える金額を専用の銀行口座などで管理し、そのなかで家計をやりくりするというスタイルが望ましいでしょう。
繰り返しになりますが、お金の話題というのは非常にデリケートなものです。夫婦間で納得がいくようにキチンと話し合って妥協点を探るのは、とても大切な注意点と言えるでしょう。
とにかくコミュニケーションをまめに取るようにする
繰り返しますが、お金の話題というのは、とにかくデリケートなものです。できる事なら穏便に済ませたいというのが多くの夫婦の正直な気持ちだと思います。
その為には、日頃から夫婦間のコミュニケーションをしっかりと深めておく必要もあると思います。話しにくいことでも打ち明けられる信頼感があれば、お金の話題も乗り越えられると思います。
もしちょっとギクシャクした関係の夫婦がお金のことを話し合おうとする前には、まず日頃のコミュニケーションで良好な関係を築けるように下準備をしっかりとしましょう。日頃からの夫婦の関係を良好に保つことが、お小遣い制をめぐるやりとりでトラブルを避ける一番の近道なのだと思います。
結論:どちらが管理すべきか
というわけで、ここまで旦那さんのお小遣い制のメリットデメリットと、旦那さんが家計を管理する場合のメリットデメリットを紹介してきました。
どちらもメリットデメリットがあり、こちらの方が絶対に良いという方法は存在しません。あくまで夫婦で話し合って、互い協力し合い夫婦のためになるやり方を夫婦ごとに選択していくことが大切でしょう。
最近ではパソコンに強い人も増えてきて、表計算ソフトなどで気軽に家計を管理できるようになってきました。
個人的な意見としては、向き不向きはあると思いますが、数字の計算や財政感覚が強い方が家計を管理した方がお互いのためになるケースが多いというのは確かに存在すると思います。
いずれにせよ、大切なのは、夫婦がお互いに納得して家計についてルールを作ることでしょう。
上手に管理すれば、将来的な貯蓄に取り組むことも可能ですから、まずはしっかりと夫婦で家計について話し合ってみましょうね。