「グリーフケア」とは

そもそもの概念ついて

「グリーフケア」とは死別の悲しみに暮れている人の傷を癒やすことを言います。

海外ではこの概念が一般的ですが、日本ではまだまだ「グリーフケア」への理解は少ない。日本の最高学府では「上智大学」でグリーフケア専門研究がされていますがまだまだ日本に根付くには時間がかかりそうのようです。

実際、私も実の母を膵臓癌で亡くしました。亡くなることは覚悟はしていたものの非常に苦しく、寂しさややるせなさから立ち直るのに時間がかかりました。今でもふとした時に涙が出ることもあるのでもしかすると完全に癒えているとはいえないかもしれません。

私はこの悲しみに一人で解決しようとしたため立ち直りに非常に時間がかかりましたが、もしかすると、本来死別の悲しみというものは一人で立ち向かうのではなく、社会的に、対人的にゆっくり時間かけて癒してもらうべきものなのかもしれません。

だからこそ、この「グリーフケア」が現代の日本社会に必要になっているのだと思っています。今回はその「グリーフケア」のやり方について述べていきたいと思います。

グリーフケアが必要な時の症状

まず、グリーフケアが必要な状態(悲しみが強い状態)についてですが、死別の悲しみを経験すると、精神面だけでなく身体的にも大きな影響を及ぼします。

《精神的症状》

怒り、恐怖、不安、孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、無気力感、自己嫌悪

《身体的な反応》

睡眠障害、食欲障害、体力低下、肌荒れ、疲れやすい、全身の痛み、めまい、動悸、胃腸の不調、血圧変化

 

代表的な例としては、上記のようなことが起こります。

(上記特徴が著しく出ている時にそのまま放ったままだと「うつ病」などを症状を発症する恐れがあるので注意が必要です。)

「グリーフケア」へのプロセス

死別の悲しみが癒えるには、一般論としてプロセスがあると言われています。

  1. 死別のショック
  2. 否定・否認
  3. 受け入れ・無力感
  4. 立ち直り

まず、最初に起こるのが「1.死別のショック」です。

これは状況を飲み込めず気持ちの面で混乱している状態を指します。特に急死の場合、その現実を受け入れる以前に状況がよく飲み込めない状態に陥ります。

次に起こるのが「2.否定・否認」です。

そんなはずはないとか、なぜあの人が、といった感情に支配されるようになります。

その次に「3.受け入れ・無気力感」です。

故人の死を受け入れ、それによって喪失感に苛まれます。さらに現実としてその人がいないことによる穴がぽっかり空いたようになり、無気力感、脱力感が起こります。

最後に「4.立ち直り」です。

最初は故人との死別に気持ちの整理がつかなくても、時間とともにその感情が少しずつ癒えてきてやがて立ち直りに向かいます。そのペースは人それぞれで、週単位、月単位、年単位で進むことがほとんどです。

「グリーフケア」のやり方

まずはそっとしておいてあげる

まず大事なことは、そっとしておいてあげることです。

大切な人との死別の苦しみの種類は人それぞれです。死別を経験した遺族同士でも、故人との関係は人それぞれでその苦しみの種類も千差万別。

なので、死別の苦しみはその人自身のものであり、誰か他の人が代わりに解答を出してあげることはできません。あくまで本人の気持ち的な問題で、それはゆっくりと時間をかけて自分と向き合うしか解決先はありません。

その時にそっと寄り添ってくれる人がいると心強いものです。

語りかけられたら何かを言うわけでもなく「ふんふん」と聞いてあげる。むやみに質問をするのではなく、何か声をかけられたら聞いてあげる、くらいなスタンスが良いんじゃないでしょうか。もちろん、人それぞれ違うとは思いますが。

詳しい方法論に関してはこちらの過去記事でも解説しました↓

「そっとしておく」思いやりは優しさ。正しいやり方について

何か生活面・仕事面でサポートできることを

これは「グリーフケア」のサポートする人とその人との関係性にもよりますが、

もし何か生活面・仕事面でサポートができることがあれば、立派な「グリーフケア」になります。

「グリーフケア」というと心理的な面でのサポートばかりに目がいきがちになりますが、心理的なサポートだけでなく日常生活を支えることでも「グリーフケア」は可能なのです。

死別の悲しみに暮れている本人はその悲しみによる喪失感・無気力感から、食事や掃除などの日常的な家事や、仕事への取り組みなどもおろそかになりがちになってしまいます。

生活面でいえば十分な食事や睡眠が取れないことによってさらにその症状が悪化してしまうということも起こりえますし、仕事でのミスでどんどんストレスや不安などを抱えこむことになることだってありえます。

そんな時に、生活面・仕事面で心強いサポートがあると、本人がその悲しみと向き合う時間やゆとりを取ることができるようになるので、結果的に早期に立ち直り、周囲の方々にも良い方向に進むことがあります。

もちろんサポートにも限界があるでしょうが、ちょっとしたことでも良いので何かしてあげることで、思ったより本人の気持ちを楽にしてあげられるということもあるかもしれません。

まとめ

「グリーフケア」の特徴・やり方について今回は述べて来ました。

日本社会は、亡くなる故人本人へのサポートは手厚くされていますが、それを支える家族や周囲の人々へのケアまで行き届いているとはいえません。

まずは、周囲の人々がこの「グリーフケア」に対する重要性を認識して、自分のできる範囲でそれを実行していくことが本人の死別の悲しみを癒す方向に進むことができるのではないでしょうか。

それでは今回はこれで!

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