子供を保育園や幼稚園に預けていたら、急に言葉使いが乱暴になって戸惑っているという親御さんは多いと思います。今まで可愛らしい口調で話をしていたのに、突然「うるせー!」「ふざけんな!」と乱暴な言葉を発しはじめるのですから、いったい何事かと心配になってしまいますよね。

しかし、子供の言葉づかいが急に乱暴になるのも、れっきとした成長の過程の一つだったのです。

今回は、そんな子供の言葉づかいの悩みについて考えてみましょう。

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子供の言葉づかいが乱暴になった時、親はどうすればいい?

言葉づかいが乱暴=悪い子ではない

子供の言葉づかいが乱暴になると「うちの子は悪い子になってしまったのだろうか・・・」と思ってしまいますね。しかし、言葉づかいが乱暴になったからといって、子供が悪い子になってしまったわけではありません。むしろ、純粋だからこそ乱暴な言葉を選んで使うようになるのです。

子供が保育園や幼稚園などで集団生活の中に溶け込むようになると、まわりの子供達からの影響を受けるようになります。乱暴な言葉づかいというのは、この集団生活のなかで伝染していきます。数人のやんちゃな子供が乱暴な言葉づかいをしていると、集団生活の中ではそういう少数の飛びぬけた個性を持った子供が注目を浴びます。大人から見れば乱暴な言葉づかいでも、純粋な子供の目には「なんだか僕達と違う!」「強そう!」という好奇の対象になるのです。また、保育園や幼稚園といった集団生活では、全体的に騒がしい環境なので、声が大きい子供が目立ちます。すると、そういう目立った子供は、他の子供にとって特別な存在になり、真似をしたくなる一種のヒーローのような存在になってしまうのです。こうして、乱暴な言葉づかいの伝染が始まると考えられています。

ここで勘違いしてはいけないのは、子供は「悪くなろう」としているわけではないのです。「私も目立ちたい!」「僕も強くなりたい!」「カッコ良くなりたい!」という、一種の変身願望や成長願望が、乱暴な言葉づかいの真似という形で表れているのだということを大人が理解しておく必要があります。乱暴な言葉づかいというのは、健全な子供なら誰でも一度は経験する通過儀礼のようなものなのです。

頭ごなしの否定はNG!大切なのは肯定感。

子供が乱暴な言葉づかいをしていると、大人はつい「やめなさい!」と叱ってしまいがちです。しかし、むやみにしかるのは逆効果です。大人が過剰に反応すると、子供は「こう言えばウケる!」と勘違いして、乱暴な言葉づかいを繰り返すようになります。大人が叱る姿が、子供には漫才のツッコミのように見えてしまうのです。

では、どうすれば良いのかというと、大切なのは乱暴な言葉づかいに惑わされず、言葉に込められた子供の真意をくみとってあげることです。例えば、「うるさい!バカ!」と言われたら、「あれ?パパ、何か間違えてたかな?〇〇ちゃんはどうして欲しかったの?」と、子供の「否定したい気持ち」を一度受け止め、そのうえで子供が本当は何をして欲しかったのかを優しく聞いてあげるのが良いのです。

もしここで「やめなさい!」と頭ごなしに否定をすると、子供は自分の人間性を否定されたと思ってしまい、その後の心の発育に悪い影響を与えてしまいます。乱暴な言葉づかいはおさまるかもしれませんが、その裏で、心の中に乱暴な言葉づかい以上に悪質な心の爆弾を抱え込んでしまう危険性すらあります。それくらい、子供の心というのは繊細なのです。

子供が乱暴な言葉づかいを使う時期というのは、誰にでも訪れます。大人は、子供を優しく見守り、成長の過程を一緒に楽しむようにしましょう。そうすれば、子供にも大人の気持ちはちゃんと伝わるものなのですから。

落ち着いて論理立てて聞かせる

乱暴な言葉づかいを止めさせたい場合、なぜその言葉づかいが良くないのかを、子供にも分かるように説明する必要があります。「人のことをバカっていうのは、泥棒さんや悪い人が使う悪い言葉なんだよ。ママは〇〇ちゃんが悪い人になっちゃったら悲しいな」というように、落ち着いて言い聞かせましょう。時間はかかるかもしれませんが、根気よく接していれば、子供にも少しずつ善悪の区別がつくようになり、自然と乱暴な言葉づかいはおさまります。

どうしても子供の乱暴な言葉づかいが気になる場合、保育園や幼稚園の先生に相談するのが良いでしょう。日中、子供達を教育している先生たちが、親に代わってフォローしてくれることも多いです。

また、これは特殊な例ですが、保育園や幼稚園の先生の手にも負えない場合、市区町村の幼児相談サービスに頼るのも一つの手です。市区町村の幼児相談サービスでは、心理士が子供と面談して専門的な視点で問題点を見つけ出してアドバイスをしてくれます。もし、発達の面で特殊な対応が必要な場合、医療機関の紹介も行ってくれます。子供の発育に不安を覚えた場合は、市区町村のホームページで児童福祉関連の項目を調べてみることをオススメします。

まとめ

多くの場合、子供の乱暴な言葉づかいというのは、子供が本来持っている「自分を大きく見せたい!」「カッコよくなりたい!」「目立ちたい!」という変身願望の結果です。子供は大人が思っている以上に周囲を注意深く観察していて、テレビや友達、そして親の言動から「面白そう!」「強そう!」と思ったものをピックアップして吸収していきます。つまり、親自身も、日頃の言動に注意を払う必要があるのです。子は親の鏡といいますが、まさにその通りなのです。

もし、子供が乱暴な言葉づかいをするようになったら、「うちの子も成長したな」くらいの優しい気持ちで受け止めてあげましょう。そして、乱暴な言葉づかいを止めさせたいのなら、優しく、根気強く説明して言い聞かせましょう。

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